ハンガリー料理

 

ハンガリー料理は、外国人の中でも人気のある料理として知られています。ヨーロッパツアでハンガリーを訪れた日本人観光客からも、他国の料理よりハンガリー料理が一番美味しかったという意見をも、しばしば聞きました。

ハンガリー料理の特徴

数種類のパプリカをふだんに使う。

肉料理の中で豚肉を使うものが多い。

サワークリームがよく使われる。

香り良いハーブをふだんに使う。

特別な方法 (調味料的に使われる)

画像をクリックすると拡大されます。
グヤーシュ

画像をクリックすると拡大されます。フォアグラ
プルクルト
玉ねぎを炒めて、粉パプリカを入れ、粉パプリカの香り・色・味が飛ばないうちに肉を入れてさらに炒めたもの。
ラーンターシュ
熱した油に小麦粉を入れ炒め、粉パプリカを入れさらに炒め、ルー状にしたもの。
画像をクリックすると拡大されます。 牛のプルクルト

1000年程前ハンガリー料理のもともとの材料は、カルパチア盆地で採れたものを使っていました。中世時代にイタリアから玉葱、にんにく、16世紀に中央アメリカからパプリカ、トマト、じゃがいも、とうもろこしも入ってきて、後にこれらすべての材料が融合されてハンガリー料理の幅が広がっていきました。

一番典型的なハンガリー料理

  画像をクリックすると拡大されます。
レチョー
  画像をクリックすると拡大されます。
ぶた肉のヴィンツェレール風
ハンガリー料理の中で最も有名なのはグヤーシュでしょう。グヤーシュとは牛飼いを意味している言葉です。グヤーシュは牛肉とじゃがいもと数種の野菜を煮込んだもので、パプリカで赤い色に色付けされています。
最近グヤーシュはレストラン等ではメイン料理の前のスープとして扱われています。しかし、本来は屋外で焚き火を使い、大鍋でたくさん作って食べるものでした。中身に牛肉が入るなどして充実しているため、家庭ではメイン料理として出されます。(日本の豚汁みたいですよね。)
伝統的な大鍋料理の代表として、グヤーシュの他に羊を使った
パローツスープ、それからヨーカイ豆スープがあげられます。このヨーカイ豆スープは、しばしば燻製豚が使われます。
種を取った大きな黄色いパプリカに豚挽肉と米を詰めて煮込み、トマトソースが添えられる「パプリカの肉詰め」もハンガリーの典型的な家庭料理です。肉詰めの料理としてロールキャベツかぼちゃの肉詰めも挙げられます。
かぼちゃのフェーゼレーク(具たくさん野菜ソース)は、ディル(セリ科のハーブ)が必ず使われます。ディルはハンガリー料理には欠かせないもののひとつです。
サワークリームを入れることによって、栄養化が高まり、濃厚でまろやかさが増し美味しくなります。最後に料理の彩りとしても使われます。パプリカ子牛・パプリカチキンを作る際、サワークリームは不可欠な存在です。これら二つの料理にはガルシュカが添えられます。(ガルシュカ:小麦粉と卵を使ったハンガリー的な付け合わせ)
ハンガリーではフォアグラも典型的な食材です。フォアグラは前菜としても出されることが多く、味はトカイワインとよく合います。それから、メインディッシュの牛ステーキと共に出されることも珍しくありません。
肉料理のソースとして一番代表的 なのはレチョーと言う、 パプリカ、トマト、 玉葱を煮込んだものですそれから、コニ・マールターシュと言うソースも家庭・レストランでもよく食べられます。
ハンガリーは、海と接していないために、魚の種類は少ないですが、きれいな急流で獲られるにじますやバラトン湖で獲られるフォガシュ (スズキに似た白身魚)は人気があります。
画像をクリックすると拡大されます。
かぼちゃの肉詰め
画像をクリックすると拡大されます。
「バコニ」豚肉
画像をクリックすると拡大されます。
ハラースレー
地方によって違う作り方がある
ハラースレー(漁師のスープ)もハンガリーの典型的な料理です。魚の良質さを重視して、できるだけ新鮮な魚から作られています。魚の中でもコイの頭、背骨、ひれを選ぶことが望ましいですが、これより小型の魚でも作ることができます。辛いパプリカも必ず使われています。
  画像をクリックすると拡大されます。
 

杏プディングのケチケメート風

この国ではきゅうりの他に、トマトやパプリカでピクルスを作ります。メインと一緒に小さな器でサラダ感覚で添えられます。一番興深いのはきゅうりのサラダで、薄くスライスしたきゅうりのピクルスに、にんにく、サワークリーム、そして上に赤い粉パプリカをかけたものです。
デザートとして多 分一番代表的と 言えるレーテシュはレストランだけでなく、 一般家庭でもよく食べられています。レーテシュとは小麦粉、卵、水等で生地を作り、薄く伸ばしたもので、具を幾層も巻いて、オ ーブンで焼いたものです。具の中身としてはカッテージチーズ、種を取ったサワーチェリー、あるいは味付けされたりんごがポピュラーです。
ハンガリーではパラチンタ(クレープ)をどこの家庭でもおばあちゃんが孫にデザートとして作ります。一般的な中身としてはカッテージチーズ、あるいはジャムでしょう。

ハンガリー料理と健康

ハンガリーの伝統的な昔の料理は豚の脂や皮付き脂のベーコンをよく使うなど、コレステロールが高いものが多かったので、あまり健康に良いとは言えませんでした。最近になっては、健康的な料理を作るように働きかけています。今日では、植物油を主に使い、野菜料理の割合も増えてきました。レストランでも伝統的な料理の味を守り続けながら、健康にも気を使う料理になってきています。

レストランでの楽しみ

ハンガリーレストランでのディナーの際、ほとんどのレストランには、生演奏をしてくれるバンドが入っています。リクエストに答えてくれたり、何か日本の曲をハンガリー風に演奏してくれたりもします。食事をしながら生演奏が聞けるなんて贅沢ですよね。